2015年1月1日、相続税の改定が施行されました。
改定のポイントは2つ
①基礎控除額の減額
2014年まで:5000万円+1000万円×法定相続人数
例えば、法定相続人が3名の場合、基礎控除額は8000万円(5000万円+1000万円×3名)でした。
→相続資産が8000万円以下の場合、無税。
2015年以降:3000万円+600万円×法定相続人数
例えば、法定相続人が3名の場合、基礎控除額は4800万円(3000万円+600万円×3名)となります。
→相続資産が4800万円以下の場合、無税。
この改定により、相続税納税対象者が、倍増します。
全国平均 4%→8% 首都圏 7%→14% 23区内 10%→20%
東京23区内に戸建のマイホームをお持ちの場合には、相続税がかかるとお考えください。
以下に、戸建て所有者が相続税を支払う割合の変化を図示します(赤い部分は100%)。
②税率のUP
各法定相続人の取得金額が6億円以上の方は、最高税率が50%から55%に増加します。
また、2億円超3億円以下の方は40%から45%に税率が上がります。
各法定相続人の取得金額 | <改正前> 税率 |
<改正後> 税率 |
控除額 |
---|---|---|---|
~1000万円以下 | 10% | 10% | - |
1000万円超~3000万円以下 | 15% | 15% | 50万円 |
3000万円超~5000万円以下 | 20% | 20% | 200万円 |
5000万円超~1億円以下 | 30% | 30% | 700万円 |
1億円超~2億円以下 | 40% | 40% | 1700万円 |
2億円超~3億円以下 | 45% | 2700万円 | |
3億円超~6億円以下 | 50% | 50% | 4200万円 |
6億円超~ | 55% | 7200万円 |
相続資産のうち、金融資産をタワーマンションに組み替えることで相続税評価を下げ、相続税を節約することです。
一般的に、相続税評価額は時価(実際の売買価格)よりも低く算出されるため、事実上の資産価値を失うことなく節税が可能になるのです。マンションの相続税評価額は、建物と土地、別々に計算されます。居住用建物の評価額は、固定資産税評価額と同額になります。
一方、土地は、マンションの敷地全体の面積を専有部分の面積で按分して各戸の持分が決まることが一般的です。つまり、階数が高いマンションほど各戸の土地の持分は小さくなり、したがって、土地の評価額も小さくなります。さらに、マンションを賃貸することにより、さらに評価額が下がります。首都圏のタワーマンションを貸した場合の評価減割合は約80%です。
タワーマンションは、このように評価減が大きい上に、賃貸・売却が円滑に行えることから、
低リスクで運用益もある換金性の高い優良資産となります。
①節税の優位性
相続税評価減の観点から言うと、高層の建物ほど、各住戸の土地持分が小さいため、時価(実際の売買価格)に対して相続税評価が低く、節税額が大きいと言えます。
②換金性
中古市場が活発なため、他の不動産に比して価格は安定しており、売買契約を早期(概ね3ヶ月以内)に行うことができます。
また、高さ制限等で今後の供給は限られ、一方、資産性が知られるとともに購入希望者が増えると予想されることから、一層、希少性が高まり、中古売買価格は堅調に推移するものと想定されます。
③投資利回りの安定性
賃貸市場が活発なため、他の不動産に比して賃料が安定的な上、空室リスクが低いと言えます。
そのため、安定的な投資利回り(約4%)が期待できる安全な資産と言えます。
④遺産分割が可能
法定相続人の数だけ資産をタワーマンション化することで、遺産分割を円滑に行うことができます。
⑤ブランド性
タワーマンションは、地域のランドマーク的な建物であることが多いため、単なる不動産とは違うブランド性があり、資産性以上に相続人の満足度を高める効果があります。
相続資産が1.5億円以上の方に向いています。
特に、今回の相続税改定で、税率が上がる2億円超3億円以下の層(40%→45%)は、対策が必要にもかかわらず効果的な方法が提案されてきませんでした。
なお、相続資産が1.5億円以下の場合には、別の相続対策を取ることをお勧めします。また、相続資産が5億円以上の方には、より効果的な方法があります。
節税前
〔単位:万円〕
遺産総額 | 一次相続=配偶者あり | 二次相続=配偶者なし | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
子1人 | 子2人 | 子3人 | 子1人 | 子2人 | 子3人 | |
5000 | 40 | 10 | 0 | 160 | 80 | 20 |
7500 | 198 | 144 | 106 | 580 | 395 | 270 |
10000 | 385 | 315 | 263 | 1220 | 770 | 630 |
15000 | 920 | 748 | 665 | 2860 | 1840 | 1440 |
20000 | 1670 | 1350 | 1218 | 4860 | 3340 | 2460 |
30000 | 3460 | 2860 | 2540 | 9180 | 6920 | 5460 |
40000 | 5460 | 4610 | 4155 | 14000 | 10920 | 8980 |
50000 | 7605 | 6555 | 5963 | 19000 | 15210 | 12980 |
100000 | 19750 | 17810 | 16635 | 45820 | 39500 | 35000 |
節税後
〔単位:万円〕
遺産総額 | 一次相続=配偶者あり | 二次相続=配偶者なし | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
子1人 | 子2人 | 子3人 | 子1人 | 子2人 | 子3人 | |
5000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
-40 | -10 | 0 | -160 | -80 | -20 | |
7500 | 15 | 0 | 0 | 90 | 30 | 0 |
-183 | -144 | -106 | -490 | -365 | -270 | |
10000 | 90 | 60 | 30 | 310 | 180 | 120 |
-295 | -255 | -233 | -910 | -590 | -510 | |
15000 | 310 | 240 | 200 | 920 | 620 | 480 |
-610 | -508 | -465 | -1940 | -1220 | -960 | |
20000 | 580 | 480 | 403 | 1820 | 1160 | 930 |
-1090 | -870 | -815 | -3040 | -2180 | -1530 | |
30000 | 1370 | 1100 | 993 | 4060 | 2740 | 2040 |
-2090 | -1760 | -1547 | -5120 | -4180 | -3420 | |
40000 | 2270 | 1850 | 1675 | 6480 | 4540 | 3660 |
-3190 | -2760 | -2480 | -7520 | -6380 | -5320 | |
50000 | 3460 | 2860 | 2540 | 9180 | 6920 | 5460 |
-4145 | -3695 | -3423 | -9820 | -8290 | -7520 | |
100000 | 9855 | 8680 | 7838 | 24000 | 19710 | 16980 |
-9895 | -9130 | -8797 | -21820 | -19790 | -18020 |
遺産総額が2億円の人がなにもせずに現金で持っていた場合、配偶者+子どもが二人のケースでは相続税額は1350万円になります。
ところがこの人が2億円の50%、1億円でタワーマンションを購入すると、遺産の評価額が8000万円下がり、1億2000万円になります。
この結果、納税額は、わずか480万円。870万円も税金が減るのです。
同様に、3億円の場合は、2860万円が1100万円。1760万円の減額。
5億円の場合は、6555万円が2860万円。 2695万円の減額。
これらは50%の例ですが、この割合を増やすことでより相続税削減額は大きくなります。
将来、課税庁が何らかの対応をする可能性がゼロであるとは断言できませんが、マンションに対する相続税評価を変更することはかなり難しいと考えています。
相続税評価は、土地は路線価、建物は固定資産税評価額という体系であり、都区部のマンションであればタワーマンションに限らず、総じて7割程度の評価減になります。そのような状況において、実勢価格や高層低層による価格差、南北価格差等を正確に把握するには、マンションすべてについて不動産鑑定評価をする方法があります。
しかし、コストだけを考えてもこれは現実的ではありません。また、同じ路線価に対して、戸建とマンションで評価方法を変えるとしても、その境目が問題になります。さらに、マンションの中でタワーだけ評価を変えるのは公平性に欠けます。
国税庁のご出身で税理士・大学准教授の安部和彦氏の著書『相続税調査であわてない「名義」財産の税務(中央経済社・2014年)』では、「タワーマンションを利用した節税策は、今後も有効であり続けるのか?」という問いに対し、以下のように回答されています。「タワー型に限らずマンションは時価と比較して相続税の評価額が低めに出る傾向にあるため、一般に相続税対策の物件として魅力的であるといえますが、課税庁としてこれを是正する有効な方策は「意外にない」ものと考えられます。」
理由等の詳細は、同氏の著書を参考にされて下さい。
節税効果(相続税評価減)・運用利回り(保有時の賃料収入)・資産価値の安定度(売却時の価格)等総合的に考えて判断する必要がありますが、特に節税効果の観点からは南向き高層階が望ましいです。
眺望需要があるため、高層階は時価(実際の売買価格)が高く(1階上がると約1%価格が上がります)、また、日当たり需要から南向きと北向きの価格差は通常10%ほどあります。
一方、相続税評価額は、階数や方角とは関係なく専有面積に応じて一定です。
そのため、同じ専有面積であれば、南向き高層階が、相続税評価減が大きく、節税効果が高くなります。
例えば、極端な例になりますが、最上階の南向きと最下層の北向きは同じ面積であっても価格が大きく異なります。1階違うと約1%、南北価格差は通常10%程度あるので、2階の北向きと42階の南向きでは購入価格が約50%違うことになります。2階が4000万円なら、42階は6000万円。
相続税評価額を一定の1200万円とすると、2階は購入価格に対して3割の価値なので、評価減は7割になります。42階は購入価格の2割、評価減は8割になります。
同じマンションであっても、階と向きが違うと1割も節税効果が違うのです。
但し、実際には、先述の通り、運用利回り(保有時の賃料収入)・資産価値の安定度(売却時の価格)等総合的に加味して判断する必要があります。
①53階(140㎡)ペントハウス仕様
購入価格: 1億5000万円 相続税評価額 3000万円
80%の評価減
②40階(70㎡)
購入価格:6500万円 相続税評価額 1500万円
77%の資産評価減
③ 3階(70㎡)
購入価格:5000万円 相続税評価額 1500万円
70%の評価減
A.
上層階ほど資産評価減割合が大きく、相続節税の観点からは①>②>③の順に節税額割合が大きいと言えます。
但し、①は、価格帯・間取りに対する需要が少ないため、値下がりリスクが高いと考えられ、
総合的な観点からは②が、相続対策に最も向いている物件と言うことができます。
弊社では、年間4万戸以上の販売物件を調査しておりますが、節税効果(相続税評価減)・運用利回り(保有時の賃料収入)・資産価値の安定度(売却時の価格)等総合的に考えて、相続節税に適した推奨物件は、年間で300戸程度しかありません。そのような優良物件の中から、独自のロジックと詳細な調査によって特定された非常に希少な物件をお客様に紹介しています。
なお、弊社が物件をご紹介する際には、お客様との間で守秘義務契約を締結のうえ、お客様のご資産の状況等を詳しくヒアリングさせていただきます。その情報を踏まえながら購入価格やタイミングについて物件の売主様と交渉し、お客様の高い購買力によって、市場価格に対して1~3割の値引きが可能となったケースもあります。
また、弊社にご相談いただいたお客様の多くが、約3ヶ月以内にご状況に適した物件をご購入されています。
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